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超戦士(ハイパー)・シンデレラ(8)

「おーさま」

「おわわっ!」

突然耳元で呼びかけられ飛び上がった【ナズーリン国王】。

いつの間にか至近に立っていたのは侍従長の【コイシ】です。

「な、なんだ! いきなり、まったくもー、心の臓に悪いな」

つかず離れずがモットーの側近なんですが、全く気配を感じさせないのでたびたび驚かされる王様でした。

「びじんさんがきたよ」

「なにを今更な。

今日来ているのは美しい娘ばかりだろ?

それとキミ、侍従長なんだからそれっぽい言葉遣いにしなよ」

「……なんで?」

小首を傾げたクローズドアイモンスター。

このコ、役柄とかにまったく関心がないんですね。

それでも参加するだけ良しとしましょう。

「ふつうのびじんさんじゃないよ」

「だからそのあたりはある程度の水準を超えたら好みの問題にすぎんよ」

「せ、たかいよ」

「大抵の女の人はウチの王子達より大きい。

気にしていたら切りがない」

「すたいる、とってもいいよ」

「今日はそういった娘が大勢詰めかけているじゃないか」

「わらったかお、やさしいよ」

「本当の優しさなんて見てくれだけでは分からんだろうが」

「おっぱい、すごくおおきそうだよ」

「…………なんだと?」

偉乳好きで近隣に知られるナズーリン王が食いつきました。

フロアがざわめいています。

『う、美しい、いや、他に何か気の利いた表現はないのか!?』

『どこのご令嬢だ? 見たこと無いぞ?』

『なんだありゃ、本当に人間か? ありえない美しさだ!』

『うー、ちくしょー、勝ち目ねぇー』

ささやき合う人垣が二つに割れ、その間からあらわれたのは……

お待ちかね、シンデレラ=ショウでした。

オーラって見えるモンなんですね。

もはや外見を細かくお伝えする必要はないでしょう。

綺麗な、本当に綺麗な娘がそこにいました。

「あのひとだよ」

「お、お、おあ……」

ナズーリン王、目を剥いたままフリーズしかけています。

「きれいだよね」

「……うあ……ああ、そ、そうだ、な」

己の審美眼に絶対の自信を持っている国王。

しかし、想定しているレンジから飛び抜けてしまっている美姫の登場に脳内処理が追いつかないようです。

付き添いの眼鏡をかけた従者が恭しく近づくと、超弩級美人はショールを脱いで渡しました。

そしてそこには全人類の希望を背負った最終決戦兵器がありました。

ただ大きいだけではないのです。

抜群のプロポーションに付与された積載均衡ギリギリの張り出しです。

大サービスのハーフカップなので半分ほどがコボレてしまっています。

パーフェクトなツヤとハリがこれっでもっかっ! とアッピールされています。

『ぐうおおおおおーーー』

場内から地鳴りのような歓声が上がります。

それに応えるように柔らかく暖かい微笑がぱああーっと。

『ぐうあああああーーー』

再びの大歓声。

「お、おお、あ、あれこそは……

罪深きこの身に唯一許された幻の約束の地なのか……」

ナズーリン王は普段の叡智を失いつつあります。

突然現れた絶乳女神は、美乳婦好きで知られる国王の子宮を激しくシェイクしています。

何度も言いますけど、性別に関する設定破綻は各自で補正してください。

「うわーい」 ばふっ

「ワタシもワタシもー!」 ばふっ

無邪気な王子二人はシンデレラ=ショウの胸に飛び込んでいまいた。

突然の襲撃でしたが、小さな王子二人をその胸に抱え、優しく笑っています。

「うわー、ふかふかー、綺麗なお姉さん! 踊りましょ!」

「ワタシもワタシもー!」

「はいはい、順番に踊りましょうね」

小さな王子のパタパタとした動きを巧みにリードしながらダンスをまとめていきます。

そのしなやかな体の動きは会場内を魅了していきました。

ほとんどシンデレラに抱きつくようにしてキャッキャッと楽しそうに踊っている王子達をナズーリン国王は玉座の肘掛をギリギリと握り締めながら睨んでいます。

(もう我慢できん! 私も!)

立ち上がろうとした肩をガシッと掴んだのは侍従長でした。

「おーさま、だめ」

「くっ! 離せ! 離さんか!」

「おーじさまたちのぶとうかいだよ」

意外に力の強い【コイシ】、ナズーリン王は動けません。

さすがはEXボス、地力は十分です。

「くそ! こんなときだけ正論を吐くのか!」

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