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ナズーリンの星っていくつあるの?(11)

「私の番だよね?」

しゃくりあげ始めたご主人の膝にまたがり、驚くその頬に両手を添え、そっと唇を重ねる。

少しずつ場所をずらし、その都度軽く吸う。

上下の唇肉を細かく啄む。

唇の隙間に舌の先を差し込み、左右にそよがせる。

そして再び軽く吸う。

「ふぁぁっ」

焦点の定まらないご主人の目から涙が溢れだした。

「ナズーリン、上手です。

分かっていましたけど、経験豊富なんですよね。

そうかも知れないと思っていましたけど、上手すぎて悲しいです」

その涙を舐めとってから、もう一度口づける。

今度は少し強く吸い上げる。

吸い上げ、離す刹那に軽く唇肉を食む。

それを何度か繰り返す。

「いつか貴方とこうしたかったから、たくさん想起しただけだよ。

上手と言われれば嬉しいよ、努力が実ったのだから。

私の全霊を込めた接吻は、貴方に捧げたかった。願いが叶った」

「は、初めてだったんですか?!」

「私、ナズーリンのスイートミラクルキッスは貴方だけのものだよ」

気障を通り越してバカだな【スイートミラクルキッス】ってなによ?

自分で言っててなんだけど。

「はぐらかされたような気がしますけど」

ファーストキスだと言って欲しかったのかな?

そんなことを気にするなんて。

神の代理と見初められ、その在り方は、神が認めたほどの存在なのだ。

私なんぞを気にすることは無いのに。

こんなネズミに感けていたら、すべてを失ってしまうのに。

馬鹿だ、本当に馬鹿だ。

でも、この馬鹿を手放したくない、何があっても、何と引き換えでも。

ご主人、寅丸星、貴方のために私は在る。

貴方は輝く星。

その輝きのためなら、私はこの能力すべてを捧げる。

気が向いたら、少し構ってくれる程度で良かったのに、これほどの情愛をもらえるとは。

その想い、大きすぎて報いきれないよ。

分不相応の宝物だ。

この小さな手では抱えきれない。

私一人では守りきれないほど大きくて、広い。

それでも誰にも譲りたくない。

絶対に。

寅丸星、私のほとんどすべて。

毘沙門天の使いとして生を受けたが、今、この存在は、ちょっとうっかり、でも何に対しても一生懸命、不器用だけど無限の優しさと挫けない心を持った、このヒトのために在る。

そのヒトが私を【大好き】と言ってくれた。

私はこのヒトの【在りたいと願う生き方】を守る。

絶対に守る。

他者を貶めても、謀っても、滅してでも。

力は及ばずとも、この知力を振り絞り守り抜く。

良かった、本当に良かった。

長き生の意義が見出せた。

それも【そうだったら良いのに】と願っていた意義だ。

積年の鬱屈が弾け飛んだ。

なんと清清しい気分だ、怖いものは何も無くなった、迷いも無い。

今の私は、ご主人妄想モードの【スーパー・ナイス・ナズーリン】かもしれん。

博麗霊夢、八雲紫、八坂神奈子、八意永琳、風見幽香、まとめて片手で捻れそうだ。

ご主人の唇を堪能できた嬉しさゆえ、気分が高揚しすぎているな。

私もきちんと話さないとね。

「あーっと、ご主人の紹介ページには星がいくつあったかな?」

「白い星は五つ、黒い星は、書いてありませんでした」

間髪いれずの返答、気にはなっていたんだね。

「ご主人の黒い星は、書く必要がないんだ」

ご主人の眉根が寄る。

【必要ない】が面白くないんだね?

「私はずっと貴方を見てきのだ。

何故こんなにも愛おしいのだろう、と。

それを確認したくて他人も細かく見るようになった。

そして他人を見る度に貴方の魅力を強く認識できた。

ああ、やぱっりご主人だ、と震えがくるほどに、嬉しかった」

「えうっ、あ、あのそれって、貴方の【大事なひと】って、もしかして、もしかして、わ、私ですか!? 私でいいんですか!?」

ここまで言ってようやくか。

察しが悪いのは十分知っているつもりだったけど。

まぁ、いいさ。

「ご主人、正解だ。貴方だ、寅丸星だ」

俯いてしまったご主人。

涙が、ぱたぱたぱたぱたとその胸元に落ちる。

「あり、ありがとう、ございます」

先に礼を言われてしまったよ。

私こそありがとうなのに。

「良かった。本当に良かった。ナズの大事なひとが私で良かった。

大好きなナズが私を選んでくれて良かった」

涙は止まらない。

ご主人の頭を優しく抱いて、頬をくっつけ囁く。

「大好きなご主人。 星。 もう一度キスしていいよね?」

ご主人は小さく頷いた。

もう一度頬に手を添え、涙を舐め取り口づける。

一段落して唇を離す。

ご主人が潤んだ目を開ける。

微笑んでいた。

「ナズーリン、私たちは【好きあっている】のですから、その、恋人ってことで良いのですよね?」

おほ、いきなり恋人へ昇格か。

「寺の皆には言っておいたほうが良いのでしょうか?
でも、恥ずかしいですね。

どうしましょう?」

その照れながらの微笑、なんという威力だ。たまらない。

最高のトレジャーだ。

もう、我慢できん! 我慢しなくてもいいよね!?

跨ったまま、足を突っ張り、ご主人を押し倒す。

正座のままだから苦しいかも知れん、でも、止まらない!

「星! 星! このままいくよ! いかせてくれ!」

押し倒したものの、ご主人は私を抱えたまま、いとも容易く反転した。

体格と地力の差は如何ともし難い。

今はご主人が上だ。

跨っていた私はそのままひっくり返され、大開脚の大変な格好だ。

このままでは犯され放題だ。

ナズーリン、貞操ピーンチ! でも、でも、お望みなら好きにしていいよ。

そこにご主人の叱声。

「ですから! 体はまだ早いと思います!

これからも抱きしめあって、き、キスをしたいです!

でも、体は、ま、まだ、ですよ!?」

あ、私、覚悟を決めていたのに。

どんなに強引な行為でも受け入れるつもりだったのに。

なんというヘタレだ。

ちょっとがっかりだ、ちぇ。

「早いと言うと、いつからならよろしいのかな? 明日? 百年後?」

「どうしてそんなに極端なんですか!

だって、新しい下着も購いたいですし、もう少し痩せてからでないと、見っともないですし、と、とにかく今日はダメです!」

ははは、この人は自分の体に不満があるのか、なんという高い理想だ。

いや、こんなちょいとずれているところが可愛いんだよね。

私も可愛い格好をしたいしね。

次のお楽しみにとっておくかね。

私、ナズーリンとご主人、寅丸星、私たちのお楽しみはこれからだよね。

千年待った私たちだもの、少しは楽しんでいいはずだよね?

星、星、貴方が大好き。

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お読みいただき、ありがとうございました。
ナズーリンは寅丸星が大好きなのだと思いました。
主命とは言え、気に入らなければ千年も暮らせないでしょう。監視役にして少年口調の賢い少女キャラ、でもきっと苦労性。そのナズーリンが認めた寅丸星は、なんだかんだあっても一角の人物のはずです。幻想郷一番のバカップルになると確信しています。東方は、プレイ自体は家族がやっているのを見ています。何度かトライしましたがてんでダメですね。もう、速度に反応できませんし。弾幕を避けるのは、ギャラクシアンがピークでしたし。でも、設定には惹かれるものが多く、音楽には大ハマりでした。いいですよね、この【世界】。作中カップリングは私のガンホーですが、世間の二次設定を拝見するに、支持率は高いと思いました。
取っ散らかった文章で恐縮ですが、メールフォーム東鼠通信のコメント欄に感想をいただけると幸いです。紅川寅丸

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