紅川寅丸とTeam東方不敗の作品やご案内

教えて!ナズーリン先生!(1)

こんにちは寅丸星です、筍の美味しい季節ですね。

変じゃありませんよ? 幻想郷では今が旬なんです。

さっと湯がいて、ワサビ醤油や、岩塩でいただくと堪えられませんね。

お出汁で煮たいところですが、この幻想郷は海のものが手に入りにくく、鰹節や、昆布も貴重品です。

川魚の削り節や、岩藻を干したものを代用しますが、良く言えば上品、味わいがやや薄めですね。

八卦炉印の粉末キノコ出汁も使っています。

何でも製造元が安定生産してくれないそうなので、お店ではあったり、なかったりですが。

でも、お醤油は元の世界より美味しいかもしれません。

粘りが強く、尖った塩辛さがなく、ほんのり甘味があります。

最近はお醤油、味醂とキノコ出汁を使っています。

炊き込みご飯も良いですね。

実は、ナズーリンの好物の一つなんです。

探索行の際、いつもは、小さめのおにぎりを三つ作ってあげます。

全部違う具を用意しますが、筍の炊き込みご飯のときは、三つともそれにしてくれ、と言います。

以前、彼女の好物のチーズを刻んで混ぜてみたら、実に微妙な表情で【気持ちは嬉しい、ホントに嬉しいが、これは無い】と言われてしまいました。

その次、刻んだ油揚げを一緒に炊き込んで、山椒の葉をほんの少しだけ混ぜ込んでみたら、目を丸くして【定番、これ定番にしてくれ、私の筍弁当は今後、これにして!】と言ってくれました。

私のナズーリン、可愛いナズーリン、いくらでもいくらでも尽くせますよ。

寺の皆も、【今日の夕飯は、筍ご飯ですよ】と朝、言っておくと、なんだかご機嫌ですし。

そんなわけで今日は迷いの竹林に筍の買出しです。

人里のお店でも売っていますが、穴場を知っているんです。

藤原妹紅さん。

迷いの竹林の入り口、ちょっと入ったあたり、小さな庵を構えてらっしゃいます。

以前、筍は採れたてが美味しいと聞いて竹林まで採りに行ったのですが、その、ちょっと、迷ってしまったんです。

あとからナズーリンにお説教をもらっちゃいました。

私の方向感覚は尋常だと思いますが、ナズーリンに言ったら、鼻で笑われ、知らないところへは一人で行ってはいけないよ、と諭されました。

子供じゃあるまいし、今でも納得がいきません。

えっと、その時、妹紅さんに出会って、庵まで連れて行ってもらったのがご縁なんですけど。

【貴方ほどの妖力を持つモノが迷うとは】と驚いておいででしたので少し恥ずかしかった。

ナズーリンに言わせると、【ご主人はそれでよい。瑣末な部分は私が補う。そのために私は存在するのだ。私は寅丸星の一部分なのだから、なにか少しでも不安のあるときには、迷わず私を呼んで使役すればよいのだ】と言います。

ナズーリンは【モノ】じゃないのに。

わざとこんな言い方するんです。

私がナズーリン無しでは生きていられないのを知っているくせに。

ホント、つれない恋人です、ちょっとかじっちゃおうかしら?

失礼。妹紅さんの話でしたよね。

筍採りの話をしたら、今採ってきたばかりのものがあるから分けてあげる、と言ってくださいました。

形も良く、美味しそうな筍を三つも。

おいくらですか?

拾ってきたようなものですから。

でも、それでは申し訳ありませんよ。

では、しばらくお茶にでも付き合ってください、暇をもてあましていたのです。

昼間は竹林にいて、【永遠亭】を訪れたい人の警護や、竹林で迷った人を助けたりしているそうです(あっ私もそうでした)。

夜は人里の知人の家に泊まっているとのこと。

私は命蓮寺の話をさせていただきました。

とても可愛くて穏やかな【ヒト】でした。

あの【もんぺ】いいですね。

動きやすそう。掃除、洗濯のとき、山菜採りのときにも楽そう。

今度私も設えましょう。

妹紅さんの【もんぺ】は赤い生地にお洒落な柄、白い髪との対比が映え、活動的でキュートです。

でも、妹紅さん自身は、人間としての【生命の灯】がよく見えず、輪廻の環から締め出されているように感じました。

聖のような【元人間】とも少し異なる在り方でした。

二度目に訪れようとした時、ナズーリンが【目印をつけておいた。人里から一番近い竹林の入り口を目指したまえ。そこにある大岩に最初の目印がある。その印の指し示す方角と距離に従って進むのだ。そうすれば次の印に行き当たる。後は印を辿っていくだけだ。五つ目で妹紅どのの庵が見えてくるだろう】

一度行ったところですから大丈夫です、と言えない自分が情けない。

最初の大岩に確かに目印がありました。

まさかと思いましたけれど、私とナズーリンにしか分からない印でした。

ナズーリンの血と丹砂を混ぜて呪をかけた顔料。

そして二人だけの暗号で綴られた伝言。

ナズーリンは、また私のために血を流しました。

やり過ぎです。過保護です。

でも、そこまでさせてしまった自分が本当に情けなかった。

それは仕方ないにしても、

【ウサギに目を奪われてはいけない】とか。

【足元に注意を払いすぎると頭をぶつけるよ】とか。

【迷ったら、一旦空へ出て、始めからやり直しなさい】とか。

私をなんだと思っているんでしょう。

まぁ、二回ほどやり直しましたけれど。

帰ってから、血の目印について問い詰めたら、

【先日、ご主人が洗濯物を干している際、偶然拝見してしまったひかがみ。

筋の割れ具合、溝の色合いがあまりにも美しかったので、鼻出血に及んでしまった。勿体なかったので流用したまでのこと】

ウソに決まっています。

多分、ウソです。

ウソです、よね? ね?

ナズの【甘やかしスープ】の中でいつも溺れている私です。

失礼。妹紅さんの話でしたよね。

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