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教えて!ナズーリン先生!(8)

なんだかあのまま、うやむやになってしまって、帰り道。

ナズーリンが話しかけてきました。

「怒るのは無しだよ。急所ははずしただろう?」

【急所】ってそういうことだったんですか?

「私がご主人の【急所】を捉えられない、そんなことあり得ないさ」

なんでそんな偉そうなんですか。

「あの二人にはちょっと強めの刺激が必要だ、これできっとうまくいくさ」

その刺激があれだったんですか?

お二人のため、と理解はできますけど、私の気持ちは? 私の火照りは?

やっぱりヒドいです。

怒るよりも、悲しくなってきました。

立っていられません。

「ん? ご主人、どうしたんだい?」

うずくまった私に駆け寄るナズ。

「ばか」

「あ?」

「ばかナズーリン」

うずくまった私を抱きしめ、

「星、ごめんね」

「知らない」

頭をなでられたら、涙が出てきちゃいましたよ。

あー、もー、いろいろ情けないです。

翌日の夕方、妹紅さんが寺に来ました。

「昨日はありがとうございました」

私とナズーリンの前でお辞儀をし、

「私、今日、伝えます」

なんと晴れやかな表情でしょう。

誰になにを、と問うまでもありません。

良かった、きっと想いは通じます。絶対です。

ナズーリンに向き直った妹紅さん。

「ナズーリン【先生】、私も昨日の授業を聞いていたんです」

「ああ、そうだったね」

「私も、【付録】を頂いて良いんですよね?」

ふぃっ、と悪戯っぽく笑む妹紅さん、まいっちゃいますねー可愛くて。

「そういうことになるな、約束だからね」

「私の肉体は永遠に滅することはありません。

慧音は半獣です。長い寿命とはいっても永遠ではありません。

いつか別れがまいりましょう。

私はその時、一緒に逝きたいのです」

少し間を取ってナズーリンを見つめる妹紅さん。

「蓬莱の薬。効力を打ち消す方法を探してください」

静かな決意ってコレですね。

その気持ち分かっちゃいます。

私もナズーリンが死んだら、急いで追いかけます。

きっとあちらこちらに迷惑をかけてしまうでしょうが、【転生】が認められている今の世なら、もたもたしていられませんもの。

来世も一緒に居たいから。

「難しいね」

腕組みするナズーリン。

「魂ごと滅してしまうなら、方法はあるが、そうなれば慧音どのを追うことは叶わないしな。

まぁ、薬の効力なら、薬で消せるかも知れないな。

だとすれば稀代の薬師に依頼するのが近道だが、その薬が自分達の存在を脅かすものだとすれば、おいそれとは作らないだろう。

仮に作ってあったとしても、厳重に秘匿するはずだ。

さーて、どうやって手に入れるかな。

久しぶりに知恵を絞らねばならないな、相手は【月の頭脳】か、面白い」

不敵に笑うナズーリン、今度はカッコいいです。ええ、ホント。

「妹紅どの、何年か猶予を頂くよ? だが、必ず見つけてみせる、必ずだ」

力強く宣言しました。

ナズーリンがここまで言ったんです、必ずやってくれます。

妹紅さんは、嬉しそうな、泣き出しそうな、なんとも複雑な表情を作ってから、深々とお辞儀をしました。

お辞儀をしたまま、

「お願いします、よろしくお願いします。ナズーリン先生」

しばらく頭を上げず、【お願いします】を繰り返していました。

そして少し赤い顔のまま、帰っていきました。

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