紅川寅丸とTeam東方不敗の作品やご案内

ナズーリンデスク! スクープです!(11)

【凄い、凄い】と震えながら読み漁るはたてを見守るナズーリン。

デスク、この本を書いたヒト、スゴいですよ!

何故そう思う?

だって、この最後の三行を書くためだけに、この作者は、おそらく八年も検証を続けたんですよ? スゴいです!

ほう、そこまで読み取ったか、その気持ちは大事に持っていたまえ。

だが、あまり入れ込みすぎると【書物の罠】に捕らえられてしまうよ。

常に冷静で懐疑的な分身を、そばに置いておくのだよ。

それが書物から知識を得るコツだ。

この二人のやりとりは、半ば書物に殉じているパチュリーにとって、心の大事な部分を優しくくすぐられるような感じだった。

「ノーレッジ館長、私、また来ても良いですか?」

「そんな風に呼ばれたのは初めてね。 パチュリーで結構よ」

「はい、パッチェさん」

ナズーリンがはたての脇腹を肘で小突く。

「こら、馴れ馴れしすぎるぞ!」

「は、はい! さーせん! パチュリーさん!」

わずかに顔を引きつらせた大図書館の主だが、この妙に愚直な知識探求の徒を気に入り始めていた。

それからは単独で図書館に訪れるはたてに、自ら茶をすすめるようにもなった。

ある日、霧雨魔理沙が襲撃した際に居合わせたはたては、数発の光弾をその身に受けながらも最後まで抵抗した。

貴重な知識の集大をなんで勝手に持ち去るのよー、

その本に込められた思いが分かっているの? なんでそんなに乱暴に扱うのよー、

こんなに丁寧に分類整理された【知恵の泉】をなんで勝手に滅茶苦茶にするよー、

やめてよー、返してよー、

涙ながらに訴え、がむしゃらに喰らいつき、強盗魔女を怯ませた。

そして結局、手ぶらで退散させた。

その日、パチュリー・ノーレッジは、傷を負った書物の守護者、姫海棠はたてに自ら手当を施した。

そして図書館への終日の出入りの自由と、無制限の貸し出し許可を与えた。

簡易な服装の寅丸が、はたての家の厨房で夕餉の支度している。

楽しそうに、ふんふんと鼻歌交じりに惣菜を仕上げていく。

ナズーリンがはたての家で夜を過ごすときは、寅丸が夕食を作りに来た。

命蓮寺の夕食の後、食材を持って飛んでくる。

【私もお手伝いさせていただきます。ほんのちょっとですけど】

凝った料理ではないが、心を尽くしていることは、朝と昼、何度も味わっているはたてには分かる。

後の手間が少ないように、小どんぶりや、うどん、はさみ餅などが用意された。

どれもやんわり、しっかりと美味しい。

帰り際、はたてに隠れて口づけを交わす主従。

バレバレなのだが。

日々の精進で、ナズーリンにドヤされることが少なくなってきたはたては、思ったことをはっきりと言うようになってきた。

かといって、敬愛の念が薄れているわけではなく、逆に日に日に増していっている。

もっとデスクの近くに行きたい、もっと教わりたい。

かなり純粋な思慕だった。

「あの、デスク」

「なんだね?」

「今更ですけど、寅丸さんって、ものスゴッく綺麗な方なんですね。

それに優しいし、いつも穏やかで、なんだかそばにいるだけで心が落ち着きます」

「ふむ、審美眼は正常だな」

「寅丸さんはデスクのこれなんですよね? いいなー」

小指を立てるはたて。

「はたて君、品がないな」

顔をしかめるナズーリン。

「だってー、あれだけの女性は初めて見たんですもん。

見てくれが綺麗な人なら他にもたくさんいますが、なんていうか、芯が綺麗っていうか、超あったかいっていうか、ひたむきで、可愛らしくて、自分の全部を捧げてもOKっていうか、たまりませんよねー」

「はたて君、よもやキミは」

「あ、もちろん分かってますよー、寅丸さんってば、基本【デスクありき】ですからね」

「そ、そう見えるのかな?」

「なに言っちゃってんですか? 寅丸さんは誰にでも優しいですけど、デスクに対するときは【優しさ】オーラが全然違うじゃないですか」

ナズーリンはどぎまぎ。

「ご、ご主人のオーラって、よく分からないな。詳しく説明したまえ」

「普段は、ご自分の周りに、うっすらまとっているだけですけど、デスクがそばにいるときは、デスクごと包み込むくらい、オーラがブワーっと大きくなりますもん。

ラブラブフィールド全開! って感じ。正直、弾き飛ばされそうですよー」

「そ、そーなのか」

はたてに返事をしながらも、ナズーリンは上の空。

「それに、いつもゆったりした服装だから分かりにくいんですが、いわゆる【ナーイスバデバデ】ですよね?

それも超特級品ですよね?

肌艶も抜群に綺麗ですし、セミヌードとかになったら大変なことになるんじゃないでしょうか?」

「ま、まぁそうだな。そうさせないためにも、キミには頑張ってもらわんとね」

「でもー、もし私がセミヌードを撮るならぁ」

はたては下あごに指をあてながら虚空を見上げる。

「小さめの下穿きだけで立っていただき、後ろ45度から狙います。

背中から腰のラインを大胆に見せてもらいます。

もちろん胸を隠すのは【手ブラ】です。

ほとんど隠せませんけどね。指が食い込むくらい強く掴んでもらいましょう。

指の間からはみ出るお肉もポイントですね。

顔はこちら向き。上目遣いで、ちょっぴり恥ずかしそう微笑んでもらいますね。

これは私でもかなりキますね」

ボーッとしているナズーリン。

「デスク?」

「そ、そ、それ以上はダメだ。妄想はいかんな、うん、多分いかん、と思う。

あ、あの、それで、あと、どんなポーズが、あ、あるのかな!?」

飢えた亡者のようなナズーリン。

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