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魔法使いナズーリン! 放てマスタースパーク!!(1)

「よっ! じゃまするぜー」

今朝も霧雨魔理沙が命蓮寺にやってきた。

最近は三日とおかずにやってくる。

一輪、ムラサ、ぬえ達はいい顔をしない。

この無礼で妙になれなれしい人間の魔女を好いてはいないようだ。

ご主人、寅丸星は歓迎しているように見える。

まぁ、このヒトは誰に対しても笑顔なので真意は分からない。

でも【幻想郷、このヒト実はお人好しだよね選手権】で第二位、三位になった博麗霊夢、アリス・マーガトロイドに圧倒的な差を付けて優勝するようなヒトだから、本当に歓迎しているのだろう。

私、ナズーリンは正直どうでもいい。

霧雨魔理沙は観察対象としては面白いが、深く関わろうとは思わない。

魔理沙も私たちの反応など気にしてはいないようだし。

彼女の目的は聖白蓮だ。

魔法使いの大先輩である聖に教えを乞うているのだ。

聖によれば、魔理沙は魔法使いとして一段階上りたいのだそうだ。

異変の度に力を増していっていると噂される博麗霊夢と、自分との差が開き始めていることに焦りを感じているらしい。

ここのところ、彼女との弾幕ごっこもぱっとしないようだ。

勝率4割は変わらないが、内容に納得がいかないとか。

以前は勝っても負けても楽しかったのが、そうでもなくなってきていると。

相応の努力に結果がついてこなくなってきたことに悩んでいたところへ、元人間の大魔法使い、聖白蓮の出現。

他人に頼ろうとする性質ではなさそうな魔理沙だが、よほど切羽詰っていたのだろう、二月ほど前に聖を訪ねてきた。

聖も思うところがあったらしく、その日から彼女に手ほどきを始めたようだ。

聖は私が毘沙門天の使いで、寅丸星の監視役であることを知っていて、それなりの敬意を表してくれている。

もちろん他のモノたちには分からないようにだが。

ご主人のこと、寺の運営のこと、そして幻想郷全体に関係しそうなことは、私にこっそり相談してくるのだ。

今回の魔理沙の件も、少なからず幻想郷へ影響を与える事柄と判断したのだろう、私に詳細を伝えてくれた。

まぁ、今回は私が関与することではないのだが。

「ナズーリンデスクー! おっはよーございまーす!」

魔理沙が社務所に上がりこんでから、少し後、元気一杯で降ってきたのは姫海棠はたて君だ。

勢いよく着地した際、短いスカートがめくれ上がった。

ふーむ、今日は紫と白のランダムストライプ(横向き)か。

お洒落さんであるな。

少し前のことだが、新聞絡みでしばらく行動を共にしたことが縁で、ちょくちょく訪ねてくるようになった。

軽く見られがちだが、素直で心優しい頑張り屋の鴉天狗だ。

それに、なかなか面白い感性を持っていて、実は私の【お気に】だったりする。

「寅丸ショットの新ネタ考えましたよー」

お、これは楽しみだ、はたて君の妄想寅丸写真は大変美味しいのだ。

「今回の寅丸さんは裸エプロンです」

え? なんだって?

はたて君をチョロっと見やり、ふーっとため息。

「はたて君、キミには失望したよ。なんとありきたりな発想だ。

【裸エプロン】だと? 陳腐なステロタイプではないか、君らしくない。つまらんなぁ」

非難ばりばりの私にかまわず続けるはたて君。

「下は穿いています」

「あん? 裸エプロンですらないじゃないか」

「穿いているのは、デスクの下着です」

「は? 私の?」

「そーです。場面設定は、こうです。ジャジャン!

デスクの家にお泊まりした寅丸さん。

なにをしていたかは、ヒ、ミ、ツ。

でも、急なお誘いだったので、替えの下着は持ってきていません。

翌朝、ご飯の支度を、と思っても、自分の下着はもう穿けません。

激しかったんですねー。いやーん。

うーん、しかし、エプロンだけではあまりに恥ずかしい。

だからこっそりデスクの下着を借りちゃうことにしたんですねー」

「う、うーむ、筋は分かるが、ご主人が私のを穿くのは、あまりに無理が」

そこまで言ったところで、パカっと特大チーズが浮かんだ。

はたて君に向き直る。

「そうか!! そうか! そーなのか!!

それはきつい! 全然隠れていないし、スゴいくい込みだ!

そして、それからどうなる!? その続きは!?」

「起きてきたデスクにその下着を見られ、あたふた、もじもじと言い訳します。

【あ、あの、ダマって借りてごめんなさい! でも、アナタ眠っていたし、あ、あの、洗って返しますから】

もじもじするうちにビリッと破れちゃいます! あちゃー。

顔を真っ赤にして、破れたところを押さえながら、

【あ、あぅ、ご、ごめんなさい! ごめんなさーい】

申し訳ないやら、恥ずかしいやらでパニクっちゃいます。

バタパタしていると、お胸もエプロンからはみ出しそうです、きゃー。

【見ないでぇ〜 見ちゃいや〜】

なーーにをいまさらですが、オチはこれでどうでしょう?

連続写真十枚くらいで物語仕立てにするのが良いと思います」

次から次へとイメージが鮮明に浮かんでくる。

最後の十枚目の【見ちゃいや〜】まで完璧にトレースできた。

「う、う、うぉぉ、 よっろしい! たい! へん! よろしいぃ!!!

いかにもありそうだ! ご主人ならやりそうだ! 言いそうだ!

採用だ!! 私の【心のフォトメモリー】に収納させてもらおう!

よくやったな! はたて君! 上々の出来だ!」

「えへへー、よかったー、ありがとうございます、デスクー」

そう言って抱きついてきた。

私も大概だが、こんな仕様もないことで褒められて、とても嬉しそうにしている。

この娘、可愛いんだよな。とっても。

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