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魔法使いナズーリン! 放てマスタースパーク!!(7)

「ナズ!! ナズー!!! しっかりしてー!!」

ご主人の叫び声で我に返った。

気を失っていたようだ。

マスタースパークを放った後、反動でかなり吹き飛ばされたようだ。

左右の目の焦点がようやく合い、ご主人の顔がはっきり見える、泣きそうだね。

「もうダメかもしれない。

最期にご主人の股間に顔を埋めたかった。できればナマで」

「待って、いますぐに!」

「星! 待ちなさい! そしてナズーリン! いい加減になさい!」

珍しく聖の叱責がとどろく。

私の状態などお見通しなのだろう。

「むう、残念」

「ナ、ナズ、あ、あ、あなた!」

いかん、怒り出しそうだ、話題転換だ。

「またしても貴方の鎖帷子のおかげだ。 いつもありがとう、ご主人」

「え!? あ、あ、そう、そうですか、良かったです」

よし、ごまかし成功だ。

魔理沙が屈みこんで、

「反動のこと、てっきり分かっているもんだと思っていたぜ。

悪かったな、大丈夫か?」

「いや、明らかに甘くみていた私のミスだ。キミに落ち度はない」

「しかし、ホントに撃てるとはな」

「まぁね、半分失敗だが、まぐれではないよ」

立ち上がろうとしたら、右の足首に激痛が走った。

吹き飛ばされたときに強くひねってしまったようだ。

なんと無様な。

「ナズーリン! どこか痛めたのですか!?」

再び倒れそうな体をご主人が支えてくれた。

「ちょっと足をひねったようだよ。すまないが手を貸してもらえるかな」

「え! それなら早く手当てしませんと! さぁ乗ってください」

そう言って後ろ向きにしゃがみこんだ。

これって、おんぶ?

あの、ご主人? おおげさだよ、恥ずかしいよ。

「なにをしているんです! 早く! 早くしないと抱っこしますよ!」

おわわわ、それは勘弁だよ。

仕方なく背中に乗ると、ご主人はゆっくり立ち上がった。

首筋、いい匂いだー。

あん? なんだか熱いな。  はっ! これは!

寺の皆からの二千八百二十八光線がこの身を焼くぅ! 焦がすぅ!

た、耐えられん!

「ご主人! 早く、早く連れていってよー!」

「ナズーリン、ごめんなさい。

私が無理をいったから、貴方はあんなまねをしたんですよね。

私の思慮が足りませんでした。

ホントにごめんなさい」

湿布をし、包帯を巻きながらしきりに謝っている。

【半分助けて】か【NZなんちゃら】か、どっちを謝っているのかな?

まぁいいや。

布団の上で足を投げ出し、これからのことを考える。

今さっきのことで、マスタースパークへの執着を減らせたかどうか、ちと怪しいが、聖に任せるしかない。

しかし、マスタースパークは必要なのだ、ここぞという時にこそ。

広角放射を考えているようだが、何本もの細い線にほぐしても面白いかもしれない。

それに、彼女の主力は星屑系魔法だと思う。

現に実質、追い込んでいるのは星なのだから。

彼女は軽視すらしているようだが勿体ないな。

身体強化による敏捷性の向上ももちろん必要だし、これも聖任せだ。

あとはやはり魔道具の開発、入手だろうか。

あのミニ八卦炉のようなアイテムを複数同時に扱えれば結構スゴイだろう。

大変な努力家だと聞くし、人間ならではの柔軟な発想、手先の器用さもある。

できそうだ、元々、魔女が道具を使うのは当たり前だしね。

開発、入手にしても、彼女が苦しんでいるのを見過ごせないモノはたくさんいるから、きっと助けるだろう。

恋人筆頭の人形遣い、大図書館の魔女、最新技術に精通した河童娘、日月星の妖精たち、もっとたくさんいるかもしれない。

魔道具か。

魔理沙も魔女の端くれだから、基本のアイテムは知っているはずだが、下調べをしておくか。

はたて君に手伝ってもらおう。

日暮れの前、痛みがひいたので、ロッドを杖代わりにして外に出る。

庭でぼんやりしていた魔理沙が駆け寄ってきた。

「おい、もう大丈夫なのか?」

「うん、このくらいならなんともないさ、明日には普通に歩ける」

「何かするのか?」

「ちょっと焚き火をね。手伝ってくれると助かるが」

「ああ、いいぜ、任せとけ」

これでも気を使っているつもりなのかな、可愛いじゃないか。

魔理沙に手伝ってもらって連絡用ののろしを焚く。

特製の顔料を振りかけると、煙は紫色に変わった。

魔理沙が興味深そうに見ている。

紫ののろし一本は【ちと用事あり、近日中に来られたし】、二本は【緊急事態、可及的速やかに来られたし】という取り決めだ。

今回は一本だけあげた。

明日の朝にでも来るだろう。

呼びつけるのはよっぽどの時だけにしている。

はたて君も忙しいのだし、今回はさほど切羽詰まってはいないし。

ぼんやりと煙を眺めながら、先ほどの続きを考える。

すると、半時足らずで、飛んでくるはたて君が見えた。

そんなに急がなくても良かったのになあ。

風を巻き上げながら寺の庭に緊急着地。

今回は見えなかったな。 まぁいいけど。

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