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魔法使いナズーリン! 放てマスタースパーク!!(9)

メモを持って聖の居室を訪ねた。

私の考えをあらかじめ伝えておくために。

昼食後、寺へやってきた魔理沙を聖の部屋に案内した。

私が退出しないのを不審そうに見ていたが、聖から【アドバイザー】と諭され、納得したようだ。

「魔理沙どの、故あって、キミに半分だけ助言する」

言っている意味が分かりかねるようだ。

そりゃそうだ、半分ってなんだかな。

「魔法使いとして、弾幕使いとして、レベルアップのヒントだと思ってくれればいい」

口をひん曲げ、眉間にしわを寄せている。

おーい、美人が台無しだぞ。

そこへ聖の助け舟が出た。

「魔理沙、今だけはナズーリンの話を真面目に聞きなさい。

私も十分に納得のいった内容を話してくれます。

きっと役に立ちますから、心して聞くのですよ」

それでようやく居住まいを正した。

「わかったよ」

さて、本題だ。

「端的に言おう。

その一、身体強化魔法はこれからも続けること。

しかし、無理をせず、体に馴染むまで先を急がないように。

その二、ミニ八卦炉のような魔道具を開発すること。

アセイミやワンドを持っていないだろ? これは、友人、知人の手を借りてじっくり行うべきだ。きっとできる。

その三、星屑系の魔法を見直すこと。

【ミルキーウェイ】【イベントホライズン】 大気中の星成分に左右されるのなら、技の重ね撃ちでその成分濃度をコントロールできるのではないかな?

その四、マスタースパークの照射方法を工夫すること。

アイデアを一個だけ。

太さの異なるレーザーを無作為に撃ち出すランダムストライプ型はどうかな? 【シュート・ザ・ムーン】の応用っぽいが、太さがランダムなのがミソだ。

魔道具の補足は聖に聞いてくれ。 以上、終わりだ!」

ポカンとしている魔理沙を残して、さっさと退出した。

【半分】だけなんだから、こんなもんでいいよね?

報告がてらご主人の部屋に行ってみた。

いた。

ご主人は紅いマフラーを巻いている。

なんだかアンバランスでちょっとおかしい。

「素敵なマフラーだね」

「ナズーリン、何を笑っているのですか。アナタのせいでしょ!

こんなにたくさんアトをつけて!」

「かっきり20個だ。

でも【もうおしまいなの?】って言ったのは、だーれかなー?」

「うかー!! だって! だって! 【お仕置き】って言うから覚悟してたのに、ナズがあんなに、あんなに優しくするとは思わなかったし、き、き、気持ちよかったしっ!」

ご主人、なにを言っているのか分からなくなっているよ。

まぁ、【お仕置き】と言いながら、お互い、十分に楽しんじゃったんだが。

そのあたりの詳細は割愛させてもらうよ。

私の報告を聞いて、嬉しそうな顔。

現時点で役に立ちそうなヒントを搾り出したつもりだ。

使うも使わないも、あとは彼女次第だよ。

「でも、ナズーリンが魔法を使えるとは知りませんでしたよ」

おおっぴらに言うことでもないし、たいしたこともできないしね。

しかし、ご主人は感心しきりだから、ちょいとからかっちゃおうかな。

「実はご主人に魔法をかけてあるんだよ、ずっと昔に」

「え、それは【恋の魔法】なんですか?」

あはは、思わず顔がほころんじゃうな。

かけられているのは私の方なのに。

「ご主人は乙女さんだな。

恋愛の魔法はリスクがとても高いんだ。 そんなことはしないさ」

「じゃあ、どんなのです?」

「ご主人にかけたのは、つい【うっかり】してしまう魔法だ」

目を丸くするご主人。

「えー! それじゃ、私のうっかり癖って、貴方の魔法のせいだったんですか!?

ヒドイ! 私がそれでどんなに困ったか、知っているでしょ!?

なんでそんな魔法を!?」

しばし激昂していたが、私のにやけ顔に気づいて、

「ナ、ナズ? う、うそなん、ですか?」

「ごめん、うそだ。安心したまえ、ご主人のうっかりは、生来のものだ」

「なんですか、それ! そのせいでナズにどれだけ迷惑かけてしまったか!

私、嫌だったのに! 治したかったのに! 今のうそはヒドイですよ!」

しまった、これはやりすぎたぞ。

本気泣きになりそうだ。

でも、気にはしていたんだな、からかって悪かったよ、星。

「ごめんなさい、ホントにごめんなさい。

でもね、ご主人のうっかり癖が無かったら、私はここにはいなかったよ。

私の存在意義は貴方の助けになることだから。

そのために私はいるのだから」

そっと抱きつく。

「そんなことありません! それだけじゃありませんよ!

ナズがいなかったら私なんか生きていませんよ!」

おおげさだなぁ。涙までためて。

「星、この話はここまででいいよね? もういいでしょ?」

コクコク頷きながら、ギュッと抱きしめてくる。

はあーカワイイなぁー。

ご主人を見上げ、紅いマフラーに目をやる。

そう言えば、このヒトこんなマフラー持ってたっけ?

この布の感じと色合い、えーと、 あっああーーー!!

「ご主人! これって、私の和装用の腰巻じゃないか! ヒドイじゃないか!」

「ふーーんだ! ナズが悪いんですよーだ!

アトが消えるまで返しませんからねー」

あかんべをして見せるご主人。

なんだ、この可愛さは。

さっきまで泣きそうだったのに。

よそでは絶対こんなことしないくせに。

これも私だけか。

参った、負けた、敵わんよ、ホントにもう、このヒトはトンでもないな。

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此度は、魔理沙の言動を鑑み、過去・現在・未来設定をでっち上げました。
なんで家を飛び出たのかなー、と。 支えてくれたヒトの存在と喪失なのかなー、と。今、どう思っているのかなー、と。この先こうなったら良いかなー、と。前作の勝手設定で登場させた、はたてが気に入ってしまいました。かなり消化不良な結末ですが、今後への伏線かな、ってことでお許しください。よろしければメールフォーム東鼠通信のコメント欄にご意見、ご指摘をください。次作への励みになります、はい。

紅川寅丸

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