紅川寅丸とTeam東方不敗の作品やご案内

ナズーリンユウギ(2)

「ご主人! 私はくやしいよ!!

恋人になったのは私たちの方が先なのに、完全に追い抜かれている!

蜂蜜プレイだと? くそっ! くそっ! ちっくしょー!!」

すごい剣幕です、どうしちゃったんでしょう?

「ナズーリン、汚い言葉を使ってはいけませんよ」

「それもこれも、ご主人がいけないんだ! あああ! 我慢できないよー!

貴方が許してくれるのなら、これまで蓄積してきたエロスの知識、それを錬成し磨きあげ、
貴方のためだけに編み出した127のシチュエーションプレイを、炸裂させるのにーー!!!」

パムッ、パムッ、パムッ、と小さな足で地団太を踏んでいます。

やだ、なんだかスゴくカワイイ。

「ナ、ナズ、落ち着いて、ね? 落ち着いて?」

「なーーぜ! 落ち着いていられるんだ!?

もう! もう! 我慢できない!

【フトモモすべすべバインディングプロテインフラクションファイヴ・膝頭噛み噛み】をさせてもらうぞ!」

言うや否やニンジンを放り出し、正面からヴアっとスカートを捲りあげて、潜り込んできました!

ちょっとーっ! いきなりなんなんですか!? 今日の下着短いのに!

後ずさりしようと、足を上げたら、膝が、ごつっ、と当たっちゃいました!

尻餅をついたナズーリン。

顎に手をやっています。

「きゃー! ナズー! だ、大丈夫ですか!?」

「うー、こんな仕打ちを受けるとは」

顎を押さえながら睨みつけてきます。

「だって、急に変なことしようとするから、驚いちゃったんですよう」

「うー……ご主人! いったい、いつ!? いつになったら私たちはすべてを許せる仲になれるの!?

重想合身できるの? 満たされるの?」

「わ、私は、貴方とこうしているだけで満ち足りますけど……」

「うそだ! うそを言ってはいかん!

夜な夜な切なそうに私の名前を呼び、布団の中でごそごそしているじゃないか!」

「えっ!? ええーっ!! ア、アナタ、見てたんですか!?」

なんてことでしょう! 見られていたなんて!! どーーしましょう!???

よりによってナズーリンに見られていたなんてー!

「あの、あ、あれはですね! そのっ、あの」

「……ホントにしているのかね?」

は?

「あ? あっ? あぅ、う、う、うかー!!

ナズのばかー! ばかナズー!! ばかーーー!!」

顔から火が出そうですー!!

また引っかけられましたー!

今回は最っ悪っですー!!

ほら、ニタニタニタニタニタニタしてますよー! 最悪ー!

「よぉーし、よしよし、うん、ご主人、自分に素直になろうよ、ねっ?

大丈夫、見るだけ、見るだけだから、絶対に変なことしないから、ねっ、いいだろう?

一刻(二時間)だけでいいからさ、ねっ? ねっ?

ちょっとそこで休んでいこう? ねっ? ねっ?

後で何でも買ってあげるから、ねっ? ねっ?」

「その言い方って、好色な年輩の殿方みたいですよ?」

【エロオヤジ】って言うのでしょうか?

目が血走っていて嫌です、この顔、イヤー!

「で、どうかな? いいだろ? いいんだよね? ねっ?」

「ヤです!

『見るだけ』と言って『味を見るだけだよ』とか、『変なことじゃないよ、
気持ちよいことだよ』とか、ちょっとずつ誤魔化すに決まっています!

だから、ヤです!」

「……なんだ、その変態オヤジは。考えすぎだよご主人」

「今の【間】はなんだったんですか!? 騙されませんからね!

あっ、今、舌打ちしましたね!? しましたよね!!」

私が強く言うと、一転してしおらしくなりました。

え? 涙まで浮かべて悲しそうな顔。

「星、私、もうだめになりそう、助けてよ、私を導いて」

「う、う、そんな顔してもダメ、です」

「むぅーー、なんとガードが固いんだ。なぜなんだよー ううー」

あ、ポロッと涙が。

こんなことでホントに泣くなんて。

ナズ、そんな顔しないで、私だって辛いんです。

「ナズ、私、わかっているんです。

いきおいに任せてそうなってしまったら、きっと、貴方に溺れてしまいます。

今でもほとんど溺れっぱなしなのに。

なにもかも放り出して、完全に溺れてしまいます。

でも、そうなったらいずれ貴方は私を軽蔑すると思います」

「え? そんなことはないよ」

ナズに軽蔑されたら私、生きていられません。

私、実は怖いんです。

ナズが愚かな私に愛想を尽かして、いつか去ってしまうんじゃないかと。

【これでオシマイ、さよならだ】なんて言われたら、その瞬間、死にます、死ねます。

「ナズ、貴方とはいつでも対等でいたいんです。

私、ナズに守ってもらって、全てを委ねれば楽なんだろうと思いますけど、
でもそれじゃダメなんです。

私の心が弱いままじゃダメなんです、ナズが大好き、それだけじゃダメなんです。

安っぽい願いですけど【ご主人、スゴいなー】【星、素敵だったよ】って思われたいんです。

大好きなナズーリンにいいところを見せたいんです。

大それた望みですけど、少しは尊敬されたいんです。

でも、まだ全然ダメです。

だから今は我慢なんです。

いきおい任せはきっと後悔します、私、とても弱いから」

ナズ、お願いです、わかってください、お願いです!

命より大事な魂の半身、私のナズーリンに祈ります。

お願い、どうかわかって!

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