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ナズーリンユウギ(9)

てーゐに言わせると、私は自分の性情と逆の存在らしいよ。

しかし、その時点で興味があったのは蓬莱の薬の話だったので、なんとか軌道修正して聞きだした。

ここからは不確かな情報ばかりなので、多分に私の憶測が混じるけどね。

【何種類かある】の根拠なんだが、不老不死、無限に見える再生能力だが、再生の仕方が違うらしい。

ボロボロの状態から炎をまとって一気に再生する妹紅どの。

同じ状態から心臓を中心に末端へと光りながら再生が始まる輝夜どの。

推測の域を出ないが、てーゐが言うように永琳どのが作った蓬莱の薬は試作を含め、何種類かあったのかも。

そう簡単に作れる代物ではないだろうし。

輝夜どのと妹紅どのが飲んだ蓬莱の薬は違うものなのかもしれない。

そして、永琳どのは毎夜、弓矢の鍛錬をしているとのことだ。

それも一本だけ射るらしい、一本だけ。

不自然なほど大きな鏃(やじり)の矢だそうだ。

『本当に射るとき、その鏃には何が入っているのかな?』

そこまで聞いた私は、薬の効力を打ち消す【なにか】が入っていると仮定してみた。

普通に考えれば、【姫】を害する可能性のある妹紅どのに放たれると考えるべきだが、
私は永琳どのがその矢を放つ相手は【蓬莱山輝夜】のような気がしてならない。

蓬莱の薬、この夢の薬がリスク皆無とは思えない。

なぜ永琳どのは全てを投げ打って輝夜どのと共にあることを選んだのか?

まだ情報不足で分からないが、勘が告げているんだ。

蓬莱の薬絡みで起こり得るなにかに備えて永琳どのは一発必中の弓の鍛錬をしているのだと。

その特別製の鏃を探してみたいものだが、今は時期尚早だ。

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ナズーリンの話、あまりのことに理解が追いつきません。

憶測と言っていましたが、どこまでが真実と重なるのでしょう?

ナズの思考が広いのは知っていましたが、それに渡り合っているてゐさんってスゴいのかも。

それに、ナズにこれだけズバズバ言うヒトって初めてです。

相好を崩したナズーリン、これって、ちょっと休憩ってことですよね?
お茶を淹れてきましょう。

お茶と干菓子を持って部屋に戻ると、

「喉が渇いていたんだ。ありがとう」

すぐに湯飲みを取り、ごくごく飲みました。

よかった、温めのお茶にしておいて。

「てーゐがね」

てーゐ? てゐですよね?

「ご主人のこと、気にしているかと思ったら、全然そんなことなくて、悪いことをしたとも思っていないんだよね」

うーん、あのヒトならそうかもしれませんね、別にいいですけど。

「ご主人は、器が大きいから大丈夫なんだそうだ。

獣から仙人や神様に昇格するのはご主人みたいなタイプが多いんだってさ」

へ?

「いずれ貴方はもっと【格】が上がるんだそうだよ」

え、え、それってどういうことですか??

「そうなったら、私なんぞ、傍にいられなくなってしまうかもしれないな」

ま、待ってください! そんな、そんな。

「ダ、ダメです! ずーっと一緒にいてくれるっていったじゃないですかー!」

そんなの、そんなの、嫌ですよー!

「まぁ、落ち着いて。

私もそんなの嫌だから、精進して自分を磨くからさ」

ホントですか? ホントですよね?

ビックリさせないでください、私、昇格なんてどうでもいいんです、いつでも一緒じゃなきゃ嫌ですよぅ。

ナズーリンが【それでは話の続きだよ】と言いました、ちょっと笑って。

もう、意地悪なんだから。

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無学の賢人と言えばいいのかな?

知識は少ない、いや得ようとしなかったんだ、でも観察力、洞察力はずば抜けている。

物事の本質をズバッとついてくる。

シニカルな見方も興味深い。

イタズラが好きなのは他者との関わりを持ちたいから。

それでいて厭世的、矛盾をはらみながら生きてきたんだ。

てーゐに言わせると、鈴仙どのが今の立場に甘んじているのは自分の意思が見えていないからだそうだ。

だから助けようとは思わないのだと。

鈴仙どのは友人じゃないのかい? と聞いた。

『一緒に遊ぶことも多いけど、私の気持ちを聞いてもらおうとは思わない。

まだまだ頼りないもの。ちょっとオツムが弱いところも可愛いけどね』

かなり厳しい、と思ったね。

まぁ、語られっぱなしも癪だったので、あえて癇に障りそうな話題をいくつか振ってみたんだ。

その中で、大国様には何度か会ったよ、って話に、スゴい喰いつきだった。

『ええええええーーー』

私は毘沙門天の使いだからね。【あちら】でお目にかかっているよ、 ってね。

『ええええええーーー』

初めて動揺を見せたよ。

それが面白くてさ、ワルノリしたんだ。

ネズミは大国天の使いでもあるんだよ? 知っているだろう?

大昔だが、お供をしたことがあってね、旅先で一夜の伽を命ぜられたんだ。

あれは、甘美で素敵なパッショネイトナイトだったなぁ、 ってね。

『ええええええーーーうぅ、ぅぅ』

泣きそうになったもんだから、慌てたさ。

ウソだよ、ウ、ソ、

『ふぇ!? ウ、ウソなの???  ナズリン! ヒドいよー!』

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