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ナズーリン! てゐ! 二人はプリポナ!(うそ)(1)

「ナズーリンが【ポナブラック】てゐさんが【ポナホワイト】です」

バンドゥブラに前を開けたままの半袖ショートジャケット、肘まである指ぬき手袋。

下は超ミニスカートにスパッツ、ニーソックス、おへそ周りは全開。

あちらこちらにフリルが付いていて、ちょっと勇気のいるコスチューム。

ナズーリンは黒を、因幡てゐは白を基調にしたほぼ同一のデザイン。

「なんで私がブラックなの? 腹がブラックなのは、てーゐだろう?」

「ワタシどっちでもいいよー、それにホワイトの方が実は黒そうだしさ。

だからナズリンの方が合うかもねー」

ナズーリンの抗議に、てゐがサラッと重ねる。

【てーゐ・ナズリン】

呼びにくいからと、お互い勝手に名前をいじっている悪友の二人。

この妙な格好、ネズミ妖は困惑気味だが、ウサギ妖は満更でもなさそう。

動物妖怪特有の耳と尻尾がアクセントになって、なにやらそれっぽく見える。

「プリティでポナポナ! 【二人はプリポナ! Max Beat!!】なんです!」

二人を満足そうに見ている寅丸星が実にイイカオで言い放つ。

「ねえ、ご主人? ポナポナってなに?」

寅丸星は従者の質問を無視して続ける。

「幻想郷に危機が迫るとき、颯爽と現れる謎の美少女戦士二人組です!

それが【プリポナ】です!」

ナズーリンをビシッと指さす寅丸。

「ポナブラックの【天堂ナズミ】。

おっちょこちょいですが、運動神経抜群で、裏表のない明るく優しい娘です」

「理屈っぽくて、小生意気で、陰険な性犯罪者予備軍だけどねー」

てゐが混ぜっ返す。

「ポナホワイトの【涼原てゐこ】。

頭脳明晰ですがちょっと引っ込み思案、でも友達思いで綺麗な心の娘です」

「薄ら笑いを浮かべながらヒトの揚げ足を取ることに喜びを感じる救いようのない性格破綻者だがね」

今度はナズーリンが返す。

「もう! 二人とも、ちゃんと聞いてください!

ここの【キャラ設定】はとっても大事なんですよ!?」

ぷんすか、うっかっかーっと怒っている演出家。

命蓮寺の一室。

数日後に開催される紅魔館の野外パーティーで、比較的新参の命蓮寺組に、余興の要請があった。

幻想郷にはやく溶け込むためにはそれもよろしかろうと、聖白蓮は承諾した。

寅丸星の発案で【正義のヒロイン】の寸劇をやろうとなったのはいいが、内容を聞き、衣装を見て、命連寺’sは尻込みした。

一輪、ムラサは『その衣装はちょっと……』

ぬえは『バカっぽいからイヤ!』

寺に縁のある多々良小傘でさえ『恥ずかしすぎるよぅ……』と拒否。

山彦その他の妖怪たちも首を左右に振るだけだった。

『なんだキミたち! 問答無用で出演決定の私の立場をどう思っているんだ!』

嫌がる面々に噛み付くナズーリン。

寅丸曰く。

『ナズーリンの可愛さ、かっこよさは、もっともっとアピールしなければいけません!

ナズーリン、やってくれますよね?』

このヒト正気か?

と思いつつも、嫌がれば本気で泣き出すだろう主人にナズーリンは逆らえない。

だが、これまでも主人の懇願に負けて致命的な痴態を晒してきた。

特に紅魔館は相性が悪い。

【快傑ナズーリン】は完全にスベッたし。

泣くほど恥ずかしかったし。

ホント、イヤだった。

ナズーリンが怒り出したところで寅丸が提案した。

『仕方ありません。あのヒトに頼んでみましょう』

因幡てゐだった。

ナズーリンとほぼ同じ背格好、並ぶとバランスが良い。

てゐは【友情出演】ということで寅丸の要請に応えた。

友情という割に、出演料として寅丸から栗ヨウカン6本をせしめていたが。

そして今に至る。

ふー、やれやれとやさぐれ気味のナズーリンが愛する主人を見る。

寅丸は体に大きな布を巻き付けて首から下を隠している。

薄化粧をして、髪は香油で妙な具合にツンツン立たせて。

なにか【仕込み】をしているのは間違いない。

集まった面々は、ナズーリンとてゐの恰好から、寅丸自身がどんな仕込みをしているのか、おおよその見当が付いている。

だが、今のところ誰も面倒くさがって突っ込まない。

【気は優しくてお淑やか、そのうえ美人で力持ち】

どこぞの魔法使いの友達の【よっちゃん】みたいに素敵な毘沙門天の代理だが、たまーに手が付けられないほど突っ走るのが玉に瑕。

ナズーリンは、このバカバカしい企画に全く乗り気ではないが、寅丸星の一生懸命を無碍にできない。

はーっと、息を吐き出し、仕方なしに大事な恋人にネタを振る。

「ご主人、私とてーゐ、小さな二人がチョロチョロ踊っても、インパクトが足りないんじゃないかな?」

よくぞ聞いてくれました、とばかりに寅丸が頷く。

「はい! そこで三人目の登場です!

三人目は金か、黄色と決まっているようです!

僭越ではありますが、私がつとめさせていただきまっっすっ!!」

布を勢いよく剥ぎ取る。

「三人目の【プリポナ】! ポナ・シャイニータイガーーー!!!」

ナズーリンたちと同じような衣装だが生地は金色。

だが、細いバンドゥブラは豊満な胸を半分も隠せず、ほとんどこぼしてしまっていて、全く頼りにならない。

スパッツは薄すぎて小さすぎる。

くるくる回ってポーズをとる度に、お尻の割れ具合やらなんやら、いろいろ形がくっきり見えちゃって完全にアウト。

もう、あちこちはちきれそうで満場一致で十八禁だ。

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