紅川寅丸とTeam東方不敗の作品やご案内

ナズーリン! てゐ! 二人はプリポナ!(うそ)(2)

「おっおおおーーー!!」

いろいろ問題だらけではあるが、幻想郷屈指のセクシーダイナマイトの炸裂に観衆がどよめく。

そんな中、ナズーリンは比較的冷静に分析する。

(ふん、皆、全然分かっていないな。

胸や尻ばかりに目が行っているようだが、ご主人の素晴らしさはそこだけではないのさ。

鳩尾のあたりからおへそ、下腹部にかけてのラインの美しさ、そして何よりあの輝くように健康的で滑らかな肌つや!

【シャイニー】とは良く言ったものだ。撫で回すだけでも悦楽御殿に行けそうだ。

まぁ、いずれあの全てが私のものになるのだがね、ふふふのふっ)

「まだそうと決まったわけじゃないんじゃない?」

「て、てーゐ! ヒトの妄想に突っ込むなよ! どんな能力だよ!?」

「なーんか、そんな顔してたからさー」

うぐっと、詰まったナズーリンだが、おかげで現実に引き戻された。

却下だ。

今はかろうじて身内の前だが、恋人の危険な半裸を大勢に晒すのはダメだ、絶対ダメだ。

止めなければ。

(しかし、この人は恥ずかしがりのくせに、なんでこういうのには抵抗がないんだろう?)

「それがレイヤーってモンなんじゃない?」

「だから! てーゐ! ヒトの独白にまで突っ込むなよっ!」

騒ぎが小康に入った頃、聖白蓮が穏やかに告げる。

「少々刺激が強いようですね。 星、今回は別の物にしましょう。 ね?」

CEOに言われては仕方なし。

ショックのあまりぺたんと座り込み、見る見る萎れるシャイニータイガー。

ナズーリンは、やれやれ助かったと思いつつも、座って俯いたことにより発生した恋人のおへその微妙な埋まり具合を見ながら、これも大変色っぽいな、と満足していた。

結局、演目は寅丸星の槍の演武になった。

妖怪の山にある河城にとりの工房

霧雨魔理沙が左手首に装着した腕輪をしげしげ見ている。

「にとり、いいぜ、こりゃいいぜ!」

最終調整が終わり、正式に引き渡された魔道具【 八望手纏 】(はちぼうたまき)。

象牙色の太い腕輪。

程よい弾力があり、手首に馴染む。

パワーアップの手段を模索していた魔理沙は某ネズミ妖怪の助言を素直に聞き入れ、いくつか手を打っていた。

そのうちの一つ、実はこれまで本人は軽視していた星屑系の魔法の徹底強化。

しかし、取り組むに当たり、やっかいな問題があった。

大気中では不安定な【星成分】、それに威力・精度が大きく左右されるという、この魔法の基本性質による問題。

このままいたずらに星屑系スペルカードのヴァリエーションを増やすだけではダメだと思った魔理沙は、【星成分】の濃度、流れを制御することこそ威力底上げの近道だと断じた。

だが、戦闘中、自身の力だけで【星成分】を制御するのはかなり困難だった。

制御を補助するためのアイテムが欲しい。

そこで親しい河童のエンジニアに相談し、製作を依頼した。

命名は占い札の【星】が象徴する【たくさんの希望】から【八望】、【手纏】は古い言葉で腕輪を表すことから。

【八望手纏】(はちぼうたまき)は身につけた魔理沙自身の魔法力を元に、【星成分】に働きかける力場を発生させる。

その力場によって、見える範囲の【星成分】を魔理沙の意思で自由に集散させることができ、その後に仕掛ける星屑系魔法の威力、密度、精度、速度を飛躍的に上げることが可能になる。

調整しながら編み出した新しいスペルカード。

魔符:【ブロードミルキーウェイ】ミルキーウェイの発展型だが、大星、小星の弾幕濃度が倍近くあり、ストレスタイプに近いほどの圧迫感を実現した。

爆符:【ポーラスターエクスプロージョン】大きめの星(北極星)を次々と打ち出し、それが一定距離で盛大に弾ける。

予測回避がしにくく、一定の安地が無いタイプ。

もっとたくさん作ろうとも思ったが、当面、この新しい二つのスペカを磨き上げることにした。

「いいぜ! これ! いいぜ! にとり、オマエ、やっぱスゴイな!」

特上の笑顔を真正面から向けられ、河城にとりはちょっと戸惑った。

にとりにしてみれば、ついこの間生まれたばかりの幼い人間の女。

輝くような生命力、無視することが困難な存在感、無邪気なのに、たまーに気ぃ遣い。

知ることに貪欲で、話は面白いし、一緒にいて飽きることが無い。

親愛の印だと言って、口づけされたこともあった。

自分の日常を引っ掻き回す騒々しくて不思議な娘。

種族としての魔法使いにでもならなければ、あっと言う間に寿命が尽きるだろう。

できるならば、長い生を選んで欲しい、たくさん遊んで欲しい。

友情、それ以上の感情は分からない、でも、それで十分。

にとりは魔理沙と一緒にいる時の空気が心地よかった。

だが、製作は思ったよりも手こずった。

【星成分ってなんなの?】 まずはそこからだった。

それ自体が捉えにくいモノであることから、成分濃度、分布状況を客観視するために観測・測定できる【モノ】が必要だった。

まずその装置作りから取りかからねばならなかった。

技術者としての挑戦心と、この娘の喜ぶ顔が見たいという想い。

努力のかいがあって、両方とも満たされ、かなった。

久しぶりの大仕事は、にとりにとっても大変満足のいくモノだった。

「にとりー! ホントありがとな!」

抱きつかれて頬にキスされた。

「う、うん、がんばってね、魔理沙」

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