紅川寅丸とTeam東方不敗の作品やご案内

ナズーリン! てゐ! 二人はプリポナ!(うそ)(7)

ナズーリンは泣き出しそうだった。

(咲夜どのおおおおおおおーーー!!!)

なんでこんなことになったんだ、と思いつつも心当たりがありすぎる。

先日のパチュリー、はたて絡みの件で、咲夜のお洒落な下着の入手ルート(外界からの)を教えてもらうことを報酬として申し出た。

もちろん、愛する主人に贈るためなのだが、びっくりさせようと、そしていらぬ誤解を受けぬようにと、

【ご主人、寅丸星には下着に関する話は一切しないで】と咲夜に念を押した。

今回の仕儀は真面目なメイド長がその約束を忠実に守った結果なのだろう。

【私の下着の購入ルートの件、お嬢様の許可をいただきました。『あとで』お教えいたしますね】

おそらく善意で、いち早く伝えようとしてくれた結果、このように大変微妙で危険なジェスチャーになったのだろう。

分かる、分かるし、ありがたい、けど最悪だ。

咲夜は自分のちょっとした言動がカタストロフ級の破壊力を持つと自覚していない。

残念な思い込みを【弾頭】に、素敵な気遣いを【推進力】に発射された十六夜ミサイルは、狙い違わず命中し、大爆発。

甚大な被害をもたらした。

致命傷を負ったナズーリン。

こうもたやすく自分を追いつめるとは。

彼女は天敵なのかもしれない。

周りを見渡すと、因幡てゐと目が合った。

いつものアイコンタクト。

【てーゐ、ど、どうしよう?】

【知らないわよ、バカ!】

最も頼りにしている相棒の返事は泣けるほどそっけなかった。

「あはははっははは!」

いまだざわつく会場に突然明るい笑い声が響く。

聞きなれない、いや、聞いたことのない声、その主はパチュリー・ノーレッジだった。

姫海棠はたてと話している。

「あはは! それじゃ全然足りないじゃないのー!」

「そうなんですよ、だから私、急いで取ってきたんです。

そしたら渡すもの間違っちゃって」

「はたてったらひどーい! あははは!」

「わざとじゃありませんよ。でも『これで構わん』って、おじさん、頭にかぶっちゃったんです」

「えー! なんなのそれ! ひはははは」

「そしたら 当の本人が戻ってきちゃったんですよ、タイミング悪く」

「ひっ! ひっ! はははは、は、ひーひーひー」

はたての胸にしがみついてプルプル震えながら笑っているパチュリー。

時折、けほっけほっとむせるその背中を軽くたたいているはたて。

皆が見ていた。呆然と。

誰が驚いていると言ったら、紅魔館の面々だった。

話の内容はさっぱりわからないが、あの低温乾燥魔女があんなに声を上げて笑うなんて。

レミリアでさえ初めて見た。

かなりびっくり。

会場が【世にも不思議な物語】を見守っている。

周囲の静けさにようやく気づいたパチュリー。

慌てて小さく咳払い、いつもの無表情をつくるが、なんせ真っ赤だった。

「はたて、あのミートローフ、私が作ったのよ。

中に味付けしたウズラの卵とインゲンが入っているの。

食べてご覧なさい」

いつもの口調できどって言ってみてもちょっと遅かった。

最近外出する機会の増えた大図書館には、必ずツインテールの鴉天狗が付き添っている。

【空橇】の目撃証言はかなり多い。

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