紅川寅丸とTeam東方不敗の作品やご案内

ナズーリン! てゐ! 二人はプリポナ!(うそ)(11)

博麗霊夢vs霧雨魔理沙の弾幕ごっこが始まった。

スペカは、お互いボム込みの八枚持ち、したがって最長で八回の表裏の攻防がある。

基本は攻め手が宣言した弾幕を受け手がかわしきれば攻守交替する。

防御側の時にボムでスペカを使ってしまえば、攻めの回数が一回減ることになる。

霊夢の先攻で開幕。

【天馬壱式】で機動力を上げた魔理沙はかなりの余裕を持ってかわしきった。

魔理沙の攻撃。

いきなり新作スペカを投入。

魔符:【ブロードミルキーウェイ】

いつもの【ミルキーウェイ】に慣れていた霊夢は対応を誤り、早くもボムらなければならなくなった。

【夢想封印】で打ち消す。

一枚目の防御に出された大技札に観客はどよめく。

その後の巫女の攻撃をボムを使わずにかわしきる魔法使い、全てのスペカを攻撃に使うつもり。

中盤戦、爆符:【ポーラスターエクスプロージョン】をしのいだ霊夢の顔に汗が伝う。

かなり気力を消耗させられた。

続いて月影符:【サテライトインターセプター】が宣言される。

これまでの魔理沙にはなかったタイプのしつこい耐久弾幕に、二枚目、そして最後の【夢想封印】を使わざるを得なかった霊夢。

スペカの尽きた巫女は残り二回の攻撃をかわしきって、引き分けに持ち込むしかなくなった。

霊夢は今回の弾幕ごっこ、決して手を抜いていない。

大技である【夢想封印】を三枚も用意していたのだから。

観客は魔理沙の見事な回避運動と新作スペカに驚いていたが、霊夢の真剣さにも感心していた。

いよいよ問題のスペカ。

輪操:【赤い靴のヨコハマドール】を宣言する魔理沙。

その名の通り、赤い靴を履いたかわいらしい人形が十体、魔法使いの周りを輪になって踊り始める。

一体が輪をはずれ、弧を描きながら霊夢に接近、光弾を撒き散らす。

そのままの軌道で魔理沙の下へ戻っていくが、すぐに二体目が同じように曲線運動で迫って来ていた。

そして、三体目、四対目が次々と弾を放っては元の輪に戻る。

いわゆる【車懸りの陣】

順番に敵に攻撃をしかけ離脱して各個に連続して攻撃を繰り返す戦法。

本来であれば、まとめて一気に兵力を集中し叩き付けた方が早く戦局を決することが出来るので、大軍同士の合戦では、わざわざ兵力を分散・逐次投入しなければならないこのやり方はナンセンス。

だが、この戦法は自分より少ない兵力の敵に対して時間稼ぎをしながらジワジワと削っていくという、限定的な特殊戦ではそれなりに有効。

まさしくスペカ戦がそれにあたる。

十体の攻撃が終ったところで少し間が空く。

二周目がスタート。

一周目は等間隔で飛んできた人形達に緩急が加わる。

タイミングをずらしながら、霊夢の回避場所に向かっていやらしく光弾を詰めていく。

『すごい……』

また誰かの呟きだったが、間違いなく観客の総意だった。

これにはさしもの天才巫女も苦しんだ。

二周目をしのいだ彼女は肩で息をしていた。

だが、カードの効果は継続中。

終わりではなかった。

三周目があると理解した霊夢の顔が歪む。

『ま、まだ来るの?』

巫女の体から力が抜け落ちた。

観客の中、目の良いモノたちは霊夢の様子を見て取り、【勝負あった】と判断した。

魔理沙の最後のカードはおそらくマスタースパーク。

今回、あえて一度も使っていない彼女の代名詞ともいえる得意技。

これまでのスペカの練り込み具合からして、とっておきの新型マスタースパークだろう。

霊夢はすでに限界を超えている。

勝負あり、と見えた。

「この勝負、ワタシの負けだ!」

【赤い靴のヨコハマドール】の三周目を前に敗北を宣言したのは霧雨魔理沙だった。

どう見ても勝者は魔理沙だった。

会場中が疑念と無得心に満ちていく。

最も驚いている博麗霊夢に片手をあげて合図した魔法使いは、会場を見渡しながらゆっくり降下してきた。

せわしなく動いていた視線が止まった先には、飛び去るアリス・マーガトロイドがいた。

追いかける魔理沙。

片方が途中退場してしまってウヤムヤになってしまった勝負。

ざわついている会場、司会進行の美鈴にレミリアが目配せをする。

実は結構機転の利く万能型妖怪が声を張り上げる。

「会場の皆様! ありがとうございました! 本日のエキシビション・マッチはこれにて終了です!

幻想郷屈指の弾幕使い二人による、模範演技はいかがでしたでしょうか!?

十分にお楽しみいただけたと思います!!

さて、お酒も料理もまだまだございます、どうぞごゆっくりとご歓談くださーーい!!」

勝負の結果に言及せず、あくまで【エキシビション】ということで押し通した超門番は力ずくで余興の会を閉めた。

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