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ナズーリン! 幻想郷名物、ハリセンチョップ!(4)

ナズーリンは守矢神社に到着した。

以前、八坂神奈子、洩矢諏訪子の二柱から申し出のあった神や妖、いわゆる人外のモノたちの婚姻や出産についての伝承を聞くためだ。

上白沢慧音が神社の入り口で佇んでいた。

待ち合わせの時間にはまだ間があるはずだったが、几帳面な彼女は随分と前に到着していたようだ。

いつものAラインのロングワンピース、【水縹(みずはなだ)】の長い髪、引き締まったプロポーション、目を惹かずにはおれない。

グンバツの美人というだけではなく、その佇まいには【雰囲気】があり、知性と包容力、誠意とひたむきさが誰の目にも見て取れる。

まさしく【お姉様系】正義のヒロインとして申し分のない存在感。

人里の男共はもちろんだが、幅広い年齢層の女性からの熱狂的な支持を受けている。

ほとんどの娘達はその昔、寺子屋で彼女の授業を受けていた。

その時分はぼんやりと【綺麗なヒト】程度の認識であったが、自らが女として成長するにつれ、慧音の真の魅力が桁外れであることが分かってくるらしい。

すでに孫のいる婦人さえもが『慧音せんせー』と黄土色の声援を送る。

男達が欲する以上に女達が憧れる【素敵な女性】の代名詞。

人里でのそれは上白沢慧音だった。

ナズーリンも慧音のことを、猛烈破廉恥メガトンEX級スケベのトップランナーとしてだけではなく、一人の女性として、とても尊敬している。

先日、学者仲間の慧音に、二柱から話を聞くのだと言ったところ、是非、自分も同席させて欲しいとせがまれた。

神話や伝承を本物の神から聞ける。

歴史学者としては飛びつくのも仕方ないだろう。

そして何よりも人外の婚姻、出産となれば藤原妹紅との事もある。

『慧音どの、仮に出産するとしたらどちらがなさるのか?』

『もちろん私だな。経験はないが、里で出産には何度も立ち会っている。

赤子を取り上げたことも何度かある。

見ているだけでも分かる、あれは大変な苦行だ。

だから私が出産する。妹紅にあんな辛い思いをさせたくないよ』

『妹紅どのもそっくり同じことを言うだろうね』

『う、まぁ、そうだろうな、困ったことだ。

妹紅はあれで意外と頑固だからなぁ』

『しばらくは先の話だろう。その時は、お二人で納得行くまで話し合うとよろしかろう。

うむ、なんなら、交代で産めば良いのではないかな?』

『交代? そうか! 私が産んだら次は妹紅が、うん! それならお互い合点がいく! 子供はたくさん欲しいからな! ナズーリンどの、その案、いただきだ!』

『ふふふ、気の早いことだ、まだ我々は【とば口】にも立っていないんだよ?

まぁ、お二人の子供ならさぞや可愛いだろうがね』

『どうだろう? 想像もつかないが』

『仮に女の子だったとしよう。

慧音どのの利発さと強い意志、妹紅どのの純粋さと優しさを備えているだろう。

そして少し恥ずかしがりでちょっとお節介焼き、でも信じたものには一途な愛を惜しみなく注ぐ。

さらに、お二人の美しさ、どの部位をどう組み合わせても抜群の美人になることは保証済みだ。

なんとまぁ、理想の女性ではないか?

世間が放ってはおかんだろうね、ご両親は今から心配だな』

『え、いや、あの、そりゃ妹紅は綺麗だけど、そんな、私なんかに似ない方が良いさ……』

『んー、慧音どのは相変わらずご自分の器量を理解しておられぬようだな』

『は? 女性としての器量を言っているのなら、私は自分を正確に理解しているさ。

器量良しとは妹紅や寅丸どののことだろう? あと道具屋の家出娘とか洋館のメイド頭とか。

私はロクな女ではない。融通が利かず、話をしても面白味のない仏頂面の醜女だよ』

『やれやれ、まったくどうにも困ったヒトだな。

黒い星四つ、おまけでもう半分付けてもいいと思っているほど【イイ女】なのに。

アナタを慕う【声】が聞こえていないのかな?

確かな【眼】を持っているのに、自分のことになるとさっぱりなんだね。

まぁ、そんなところも魅力なんだろうか』

『なんだそれは? 意味が分からん』

そんなほとんど益体もない話をしつつも守矢神社への訪問日を打ち合わせた学者二人。

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