紅川寅丸とTeam東方不敗の作品やご案内

ナズーリン! 幻想郷名物、ハリセンチョップ!(22)

早苗が三人に挨拶している。

「慧音先生、大事なことをたくさん教えてくださり、本当にありがとうございました。

私、もっと勉強しに来たいんです、いいでしょうか?」

「歓迎するよ、また学びあおう」

「てゐさま、私、今、とっても晴れやかな気持ちです。これからも私を導いてください! お願いします!」

「う、うん、ほどほどにいこっかー、あんまり、期待しないでね?」

少したじろいでいるウサギ妖怪。

最後にナズーリンを見据える風祝。

「ナズーリンせ、せんせい! ハッキリ言います! 私、アナタが嫌いです!」

場が凍りつく。

「うーん、残念だね、私はキミが結構好きなんだが」

「今度出会ったら退治します!」

慧音が一歩進み出て何か言おうとするのを遮るナズーリン。

「穏やかじゃないね、まぁ、出会わないように気を付けるとするか」

ナズーリンを睨みつけた早苗だが、最後に残りの二人に深々と礼をして飛び去っていった。

「ナズーリンどの、この終わり方は如何なものか?」

「まぁ、自業自得ってことだね。それに目的は達成できたのだから万々歳だ」

今回、ナズーリンが早苗のためにやったことは裏方ばかり、表面は明らかな嫌われ役。

「貴方の誠心はいつか早苗にも伝わるはずだ」

「そんなことを期待していたわけではないさ」

「今回は同情の余地なーし」

てゐが珍しく腕組みして難しい顔をしていた。

「二人ともお疲れ様、これにて解散だな、また何かの時にはよろしく」

命蓮寺に戻ったナズーリンは寅丸星を探した。

夕飯まではまだ時間がある。

普段なら厨房にいるが、本日の当番はムラサだった。

星は自室にいた。

「ご主人、お邪魔してよろしいか」

「ナズーリン? どうぞ」

ゆっくりと入室する。

「今日は、随分早かったのですね」

いつもと変わらぬ穏やかで暖かい存在があった。

その笑顔を見た小さな賢将の視界は次第にぼやけてきた。

「うん、思ったよりもすんなり片付いたから」

「では、お仕事はうまくいったんですね」

「ああ、概ねうまくいったよ、これで大丈夫だ」

「ナズ? 疲れていますね?」

心配そうな声を聞いたら精神の留め具がはずれた。

ここには他に誰もいない、もう我慢しなくていい。

「星」

ナズーリンが自分を名前で呼ぶのは特別な時。

近寄ってきた小さな恋人が力一杯抱きついてきた。

「少しの間でいいから、このままでいさせて」

「はい」

嫌われることには慣れている。

そう、慣れている。

望んでやったことだ、誰のせいでもない。

そう、いつものことだ、慣れている。

だから平気。

そう、平気なはずだ。

……でも……

寅丸は何も聞かずに抱きしめ返す。

並外れた頭脳と広範な知識を、誠実の名の下に強い意志で行使する唯一無二の恋人を。

寅丸だけが知っている、傷つきやすく、寂しがりで泣き虫な本質。

何があったか知らないけれど、傷ついたナズが帰ってくるのは私のところ。

だから気が済むまで抱きしめていてあげよう。

(星、ちょっとだけ悲しいよ、星、もっと強く抱きしめて、そうしてくれたらいつもの私に戻るから、きっと戻れるから)

[←]  [小説TOP]  [↑]

時間がかかりました。早苗をなめていました、ゴメンナサイ。

3作同時進行なんてやらなければ良かった、ゴメンナサイ。

たくさん勉強になりました、ありがとうございます。

ネタの詰め込みすぎは仕様ということでご容赦ください。

ここで仕切り直し、気合を入れますんでよろしくお願いします。

冥途蝶さま、お名前と設定借りちゃいました。
メールフォーム東鼠通信のコメント欄にご意見、ご感想、ご指摘をいただけますと、励みになります。

紅川寅丸

PAGETOP
Copyright © 2011 東鼠回顧録 All Rights Reserved.