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ナズーリン! 最低です!(3)

最低従者が追いついてきました。

「ご主人様、お一人では危のうございますよ」

アナタと一緒の方が別の意味で危険です、と言いたかったけど、鼻で笑われそうなので我慢しました。

用事は秋祭りの打ち合わせです。

里長の家で数人の顔役の方々と収穫祭のお話です。

命蓮寺がお祭りにどうやって関わるかですが、お寺の夏祭りとは違って、あまり前面に出るわけではありません。

極端に言えば、人間達と仲良くやっていくための方便ですから、裏方でお手伝いをすることになっています。

お祭りを楽しく安全に行うために、主に警備にあたります。

悪さをしようとする人妖、この場合は妖怪がほとんどですが、トラブルが起きたときに迅速に収めるんです。

そしてなるべく未然に防ぐために要所々々に力のある妖怪を配置して牽制する予定です。

ナズーリンがあらかじめ決めておいた配置と対処方法をよどみなく説明します。

人間からの質問に対しては『その点につきましては寅丸星様がお話くださいます』と私に振ってきます。

事前にナズーリンが、予想される質問とその回答を教えてくれていましたから、難しくもなんともありません。

わざわざ私が答えるのは、【毘沙門天の代理】の存在感をアピールする狙いのようです。

最低のコマシですが、お仕事はキチンとやりますし、私を立ててくれます。

だからなんだかケチがつけにくいのです。

そのあたりもモヤモヤが募る理由のような気がします。

打ち合わせが終わり、帰る前に茶屋で休んでいくことにしました。

やっぱり私、こんな最低従者でも二人でいることを望んでしまっています。

茶屋の外席には先客がいました。

あれは紅魔館のメイド長、十六夜咲夜さん。

いつもは控えめでですが、単に美しいだけでなく、立ち居振る舞いも洗練されていて、貴人の趣さえあります。

私が知る限りでは、幻想郷で一二を争う美人です。

ナズーリンを見上げてみると、その目は咲夜さんをロックオンしていました。

やる気満々のようです。

過去に何度かちょっかいをかけているのを見ていますが、ことごとくフラれていました。

ナズーリンを袖にするのは咲夜さんだけです。

だから密かに闘志を燃やしているのも知っています。

このままお邪魔虫になって、再びあしらわれるのを見るのもいいんですが、【私のナズーリン】がまったく相手にされないのも面白くないんです。

他の女のヒトに誑かしまくっているのはもちろん許せないんですけど、ナズーリンの魅力を分からないって言うのも許せないんです。

私、おかしいですよね?

『頑張ってナズーリン』と思う気持ちが少し、『またフラれちゃえナズーリン』が少し、『私だけを見てナズーリン』が少し多め。

私、おかしくなっています。

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