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ナズーリン! しっかりしてください!(2)

もー、埒があきませんから私がキイチくんに話を聞くことにしました。

「キイチくん、私と少しお話ししましょう」

キイチくんはお父さんから散々シボられたらしくかなりふてくされていました。

「おぼえてないんだよー、しょーがないじゃん!」

「キイチくんはいつも、どうやって数珠で遊んでいたの?」

黙っています。

「ねぇ、私は怒りませんよ? 遊び方を知りたいだけなんですよ?」

「……ホント? 怒らない? 寅丸さんは怒らない?」

「ええ、約束します、はい、げーんまーん」

キイチくんの手を取り、小指を絡ませ、約定を交わします。

「……指にひっかけてくるくる回すと、じょりじょり音がして楽しいんだよ。

そのまま遠くへ、思いっきり、ぷーんっと飛ばすんだ。

でも、このあいだ、藪の奥にすっ飛んで行っちゃって。

探したんだよ、たくさん探したんだよ、でも、でも、無かったんだ!」

そこまで言ったキイチくんはボロボロ泣き出してしまいました。

「お、お、お父さんに怒られるから、うんと怒られるから、う、うああああー!」

怖くて正直に言えなかったんでしょう。

キイチくんの頭を撫でてあげます。

「よく話してくれましたね、キイチくんは偉いですよ」

「うわーーん!」

抱きついてきたキイチくんをそっと包んであげました。

さて、ここからが本番です。

「ナズーリン!」

「へーい、どうしたんだね〜?」

「数珠はあそこの藪の奥にあります、探してください!」

「えーー、あの藪、スゴい広いよ〜 無理だよ〜」

「いいから探しなさい!!」

「むー、ヒト使いが荒いな〜、まったく、も〜」

「まったくもーっは私の台詞です! 早くしなさい!」

「こんなところにあるわけないのに……」

ブツブツ言いながら藪に入っていくナズーリン。

「文句を言わない!

アナタだけじゃ足りません! 子ネズミさん達にも頼みなさい!」

「むー、注文が多い〜な〜」

しばらくして子ネズミの一匹が数珠を探しあてました。

「ごしゅじ〜ん! あったよ〜、いや〜ホントにあったよ〜」

「だからそこにあるって言ったじゃないですか」

「う〜ん、そうだね。

ごしゅじ〜ん、やるじゃないか、えらいぞお」

うっぐぐ、我慢です! こんなことでいちいち怒っていてはキリがありません。

お父さんからとても感謝されました。

キイチくんを責めないようにお願いしてから里を後にします。

「ごしゅじ〜ん、今日はなかなか良かったよ、じゅーしゃとして鼻が高いな〜」

「あのですね、これはアナタがやるべき仕事なんですよ?」

「まぁまぁ、いいじゃないか〜

ごしゅじ〜んとワタシは一心同体、どっちが解決してもオ〜ライだろ?」

そう言いながら私のお尻をまさぐっています。

まったくもー、えっちなことだけは一人前なんですから。

「止めてください」

少し乱暴に払いのけます。

「えー? 私のこと嫌いなのお〜?」

悲しそうな顔をするナズーリン。

「そう言うこてじゃなくて、時と場合をわきまえなさいってことです」

「むー、よく分からないよお〜」

そう言って抱きついてきました。

甘えてくるナズは可愛いんですが、とっても気になることがありました。

「ナズ? なんだか頭、臭いますよ?」

このコ、何日お風呂に入っていないのかしら?

一緒にお風呂に入り、わしゃわしゃとナズの頭を洗います。

なんだかガビガビしています、もー、いつから頭洗ってないのかしら。

「んー、気持ちいいね〜」

「そうでしょう、髪は女の命とも言います、丁寧に洗わないといけませんよ」

「いっつも洗ってくれるのなら毎日お風呂にはいるよ〜」

「なにを甘ったれているんです!」

「おほっ、やっぱりごしゅじんのおっぱいはでっかいな〜

ちょっとさわって良いかな?」

「え、あの」

もにゅ、

「あっ」

「ずっしり重くてみちみちに詰まっていて〜 そのくせ先っちょは随分控えめで可愛いじゃないの〜

どれ、くりくり〜」

「あっ、あっ、ああっ」

「そ〜れ、くりくり〜」

「あ、あ、あ、ああー! ナ、ナズぅ」

「ふー、もういいや、あ〜きた」

「ふ、へ?」

な、なんなんですかー!!?

こ、この、中途半端ヤローーーー!!

コンチクショー!(あっ、なんとハシタない言葉、失礼しました)

私、なんでこのヒトが好きなんでしょう!?

文机に見慣れない本が置いてありました。

以前、私がなくした経典でした。

ダメもとでナズーリンに頼んでおいたのですが、頼んだことすら忘れてしまっていました。

すーっと探し続けていたんでしょうか。

「これ、探してくれたのはナズーリンでしょう?

あ、あの、ありがとうございます」

「経典は大事だからね〜 しっかり修行して、立派な毘沙門天の代理になっておくれよ〜」

そう言って、ふにゃん、と、だらしなく笑いました。

ホントにたまーにですけど、こんなこともあるんです、だから私は……

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