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ナズーリン! しっかりしてください!(3)

お寺での小宴、ナズーリンは飲んで食べて楽しそうなんですが、いささか度が過ぎているようです。

宴酣を過ぎた頃には、ぐにゃぐにゃになってしまいました。

まったくもー、いつもいつもです。

抱っこして部屋まで運びます。

ナズーリンのお世話は私の仕事ですから、って、あべこべですよね!? おかしいですよね!?

どうしてこーなっちゃんうでしょう?

半分以上眠っているナズを寝間着に着替えさせ、とりあえず寝かせました。

「う〜ん ごしゅじ〜ん どこ〜」

「はいはい、私はここにいますよ」

「ごしゅじ〜ん、ちゅーしたい」

「なにを言っているんですか、もうおとなしく寝ていなさい」

むくっと起き上がり、首に抱きついてきました。

もー、しかたありませんね。

ぶちゅっと思い切りキスしてきました。

唇をべろべろ舐め回しだします。

ぺっちゃ、ぴっちゃと品の無い音がイヤですよ。

あー、もー、ムードもへったくれもありゃしません。

「うへへへ〜」

あーお酒臭い! やだもーー!

「ごしゅじ〜ん、だいすきだよ〜 とーーってもあいしてる〜〜」

え!? え!?

「ナズ!? いまなんと?」

んがー、んがー、

もう眠ってしまいました。

困ったヒトです。

でも、とても愛してる、ですって、うふふ。

「おろ? 違ったのかな〜?」

別の日、ナズーリンは、またやらかしてしまいました。

里人から借りていた本を返しに行くだけの簡単なお使いなのに別の人に渡しちゃったんです。

面倒なことに持ち主と渡された人は日頃から大変仲が悪かったんです。

両方とも意固地になり、返す返さないでお互いを盗人呼ばわりし、大騒ぎになってしまいました。

結局、聖と私が双方に頭を下げに赴き、なんとか収めたものの、溝はさらに深くなってしまったようです。

「いや〜、しっぱい、しっぱい。 えらいことになっちゃたよ〜」

「なんですかっ! その緊張感の無さは!

アナタがしっかりしていないからこんなことになったんですよ!

こんなことばかりだと、いつか大変なことになりますよ!

わかっているんですか!!」

「どんまい どんま〜い」

「ナズーーーーリーーン!!!」

「星、大事な話があります」

次の日、聖の居室に呼ばれました。

なんだかとてもイヤな予感がします。

「毘沙門天様から連絡がありました」

一拍置いて

「別の使いを寄越すと」

「あ、あの、それって!」

「貴方の新しい従者です」

「な、ナズーリンはクビなんですか!?」

確かにナズーリンはダメダメですけど、私、あのダメダメナズーリンが好きなんです!

「新しい従者はすでに隣の部屋に控えています」

イヤです! ダメです! 待ってください!!

開けられた戸の向こうは真っ暗で…………

「ご主人、ご主人、大丈夫か?」

「あ……ナズーリン?」

ナズが覗き込んでいます 寝ていたんですか私。

「またうなされていたよ、しっかりして欲しいな」

まだ頭がボーっとします。

ん? しっかり? しっかりしてですって!?

「ナズーリン! なんでアナタに【それ】を言われなくちゃならないんですかー。

しっかりして欲しいのはアナタの方ですよー」

「……ほう、 どのあたりが至らないのかな? 具体的に言って欲しいね」

「だから、もっとしっかりしてください。

しっかりしないと大変なことになってしまうんですよ!

それに、お風呂には毎日入って下着も毎日換えて欲しいんです!!」

大声を出していたら段々頭がスッキリしてきました。

ナズーリンが頬をひくつかせています。

えーーっと、夢だったみたいですね……

「仮にも乙女に対して、とっても失礼なことを言っているよね?

私はネズミだが風呂好きだよ? 下着も毎日換えている。

ただでさえネズミは不潔だと思われているんだ、身繕いには気を遣っているつもりだがね」

「あ、あの、そ、そうでしたね……」

「ロクでもない夢でもみたんだろうが、聞く権利はあるよね?」

夢の中のだらしないナズーリンの話を本物は難しい顔をして聞いています。

「ふーむ、で、 私にしっかりして欲しいと」

「も、もういいんです、忘れてください」

「いーや、そうはいかないね。

私は従者としてしっかりとしなければならからね」

にやーっと意地の悪そうな笑い、この顔、イヤー。

「必然的に【ご主人様】である【寅丸星様】にももっとしっかりしてもらわなければならない。

これからはもっとビシビシ注意をさせていただこう。

うっかりなど許さないからね」

イヤー! なんでこうなっちゃうんですかー!

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